MVE TEC 3000は容器内の状態を高い精度で監視・管理できる各種の高度な機能を備えています。

液体窒素レベル測定

TEC 3000は差圧計を用いて精度±0.5 in.（15 mm）、分解能±0.1 in.（5.0 mm）で液体窒素（LN2）レベルを測定します。差圧計は他のレベル検知システムとは異なり、正確なレベルの測定と表示が可能です。自動制御のクローズドループシステム（特許）が3.0 in. ～ 48.0 in.（75 mm ～ 1220 mm）の範囲で1点較正を行い、インチ単位（ミリメートル単位）、または満充填レベルに対する割合（％）で値を表示します。

自動液体窒素レベル制御

全自動のLN2レベル制御システムがユーザー設定のパラメーターに従って容器を制御します。設定できるパラメーターはLow Level Alarm（下限レベルアラーム）、Low Level Fill Point（下限充填レベル）、High Level Fill Point（上限充填レベル）、High Level Alarm（上限レベルアラーム）で、LN2レベルの全範囲にわたって電子的に調節できます。あふれ防止のために二重化されているソレノイド弁が24VDC、1.0アンペア（最大）で作動します。

使用液量

この機能はLN2消費量を監視し使用液量の推定値を表示するので、早い段階での使用方法変更や再生不能な試料保護を行うことができます。

ユーザー設定アラーム

17種類のアラーム音・アラーム表示で問題発生やその可能性を警告します。アラーム機能は以下の通りです：High Temperatures（上限温度）、Low Temperatures（下限温度）、High Level（上限レベル）、Low Level（下限レベル）、Liquid Usage（使用液量）、Maximum Fill Time（最大充填時間）、Gas Bypass（ガスバイパス）、Temperature Calibrations（温度較正）、Low Battery（電池切れ）、Power Failure（停電）、Lid Open（フタ開放）、Communication Loss（通信遮断）

遠隔アラームモニター

TEC 3000のアラームモニターは次の4個のパラメーターのいずれかが設定値を超えるとアラームが作動します。

High Level（上限レベル）、Low Level（下限レベル）、Temp A High（温度A上限）、
Low Battery（電池切れ）

温度測定

独立した2個の温度測定チャンネルを用いて容器内全体の温度を正確に測定します。2個の白金抵抗温度検出（RTD）センサーは精度が±1.0℃、分解能が0.1℃です。温度は摂氏（℃）、華氏（F）または絶対温度（K）で表示することができます。最高の精度を確保するために、1点較正または2点較正で標高補正も行います。

ホットガスバイパス

この機能により、液体窒素の充填を始める前にその供給ラインから窒素ガスを逃がし、凍結容器内に高温のガスが入らないようにすることができます。このため安定した温度勾配が保たれ、過剰なLN2蒸発を抑えるので効率が高まります。

イベントログとデータ保存

TEC 3000は日時の記録された変更不可能な重要データを不揮発性メモリーに保存することができます。これは容器の性能評価やトラブル解決に役立ちます。メモリーには30,000件のイベントを保存でき、保存容量の目安はおよそ10年分です。次のデータが保存されます：日付時刻付き温度、LN2レベル、使用液量、アラームおよびイベント（発生した場合）

パスワードによる安全対策

最大10個のユーザー別にプログラム可能なパスワードと4段階のセキュリティーレベルによる多重セキュリティーシステムを設定して、特定のメニューや設定の使用を許可したり制限したりすることができます。

通信機能

2個の独立ポートを用いて他のTEC 3000コントローラーやリモートPC、シリアルプリンター、その他のRS-485ネットワーク・機器に接続することができます。次のオプションがあります。

ASCII、MODBUS、プリンター、One Fill All Fill（OFAF）